2004年04月27日

olrseder.JPG■「リーダーに必要な資質って何だろう?」という症状に清々しく効きます!■


マーケティング、ブランドについてとんがった発信を続ける阪本啓一さんが、自身のプロジェクト経験にもとづいて書いた「リーダーシップ」の教科書。

従来のやり方を「凧のリーダーシップ」と喩えていることにうなった。リーダーが走らないとメンバが落ちてしまう、リーダーまかせ。たしかにそうだった気がする。

それに対して、阪本さんが提唱するのは「飛行機のリーダーシップ = リーダーシップ・プレーン」。それぞれにエンジンをもつ飛行機を編隊として率いていくリーダーシップだ。

このリーダーシップには7つの要素がある。
---
 1.好きのオーラ(aura)
 2.思い描く力(picture)
 3.育成力(bring up)
 4.コミュニケーション力(Communication)
 5.戦略思考力(Strategic Thinking)
 6.戦術実行力(Tactics Execution)
 7.倫理力(Business Ethics)

---

1はパイロットであるリーダーの想いの源泉であり、これがないとリーダーシップははじまらない。2~6はリーダーシッププレーンを構成する5つのパーツ。「育成力」がエンジンとしてとらえられているのが素敵だ。そして7がリーダー自身が心にもつべきもの。なるほど納得な要素だと思う。

本書では、これら7つの要素を、阪本さんが出会ったリーダーシップを発揮している人との対話などを織り交ぜて説明している。これまでの阪本本のようなとんがった感じはなく、とってもさわやかな読後感がある。

なお、阪本さんがプロジェクトを実行する際の「プロセス4」という手順に深く共感できたので転記しておく。本書の企画段階でも使われたそうだ。(コンセプト漢字は「好」)
---
1.その商品で世の中に訴えたいコンセプト(価値)を漢字1文字で表すとどうなるか
2.それをイラストにするとどうなるか
3.狙うターゲット顧客はだれか。イラストにする
4.物語にする

---

■キーフレーズ
・人間ならではのウェットな経験を蒸留し、その結果導き出されたドライな理論こそが使える
・人間が集まって構成されている組織は、人間と同じ習性を持っている。それは「慣性の法則」である。
・好きのオーラは伝染する
・その出会いの時に、仕事を好きになるかどうか。好奇心に火がつくかどうか。
・白紙に最初の一筆を下ろす勇気と実行力を生み出す = 思い描く力
・育成計画の文書化は、とりもなおさず自分が現在やっている仕事を定義する作業
・待つ、待たれるが、お互いの間に「愛」を育てる
・どんな社員であれ、「はまろう」という意志があるかどうかが肝心なのだ
・相手を好きになれば、相手も好きになってくれる
・みんなが行くならわしゃ行かん、というオリジナルな道を歩こう
・unlearn - 敢えて、拭い去ろう。意志の力で忘れよう。
・人間はまだまだわからないことだらけ。だからこそ「未開拓の市場」だらけ
・やるなら「徹底的に」、かつ「自分で」やる
・本を買う - 自前でミニ図書館を作る
・人脈の本当の意味は「知的交流」
★毎月、「初体験」をする - 知的挑戦の記録
・知の身体化 - 「1000を知って1話す」心構えで話そう ← ドキッ!
・商は笑なり - 笑顔を生むことを目指そう


■本の情報
bk1:『仕事でワクワクするためのリーダーシップの教科書』 (Trackbackあり版)

▼参考URL
Palmtree Inc.
 →阪本さんがCEOをつとめる会社。本文中に触れられていた学問所(阪本塾)の情報もあり。
KEN研
 著者阪本さんが塾長をつとめる異業種交流会
 →2004年4月のオンライン談義のお題は「私にリーダーシップがほしいとき

at 07:19│コメント(0)トラックバック(0)感情本・人間本 │

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字