2000年05月

2000年05月01日

 最近、読書にはまっています。おもに行きかえりの通勤時間で読んでいて、今年に入ってから硬軟おりまぜ17冊読了!目標は「週に1冊読む!」なので、今のところいいペースです。そうやって出会った本の中には、僕の価値観を大きく揺さぶるものがいくつかありました。今回はその中の1冊をご紹介します。

 その本とは『真実が人を動かす』(ケン・アイバーソン 著、岡戸克+東沢武人 訳、ダイヤモンド社)です。 (原題: PLAIN TALK - Lessons from a Business Maverick -)

 ケン・アイバーソン氏は、アメリカの鉄鋼メーカー、ニューコアの会長です。僕は今回初めて耳にしましたが、この業界ではUSスチールについで全米第2位の会社なんだそうです。そんなニューコアですが、1965年にアイバーソン氏が社長に就任した当時は倒産寸前だったとのこと。

 そういう経歴の持ち主ですから、この本では「企業成功の秘訣」やら「こうやるべし!」のようなウンチクが語られていると想像しますが、そうではありません。ただ、アイバーソン氏が「何を考えてきたのか」「何をやってきたのか」が本人の口からいたってシンプルに語られているのみです。(口調は熱いんですけどね)

 で、文才のない僕がダラダラ書いても内容が伝わらないでしょうから、気に入った箇所をいくつか抜き出しておきます。興味のある方はぜひお手に取ってよんでみてください。 (なお、★印は僕の感想です)

・わが社に溢れるもの、それは形式ばらない空気、思いやり、自由、尊敬、公平、 そして飾らない真実。[p.4]
 → ★「思いやり」「尊敬」ってのが重要なんだろうな。
・こうしてぶらぶら歩きすることによって、(中略) どんな人物か、何ができる人か、 何を大切にしている人か、しっかり理解できているという手応えを得ることができた。 彼らも私について、同じことを知ることができた。[p.36]
 → ★他人に興味を持ってますか? 自分を語ってますか?
・問題解決にあたって私が重んじる判断基準は、「全社員がこのことを知ったとき (ニューコアでは確実にそうなる)、彼らは私が正しいことをしたと思ってくれるだろうか」 というものだ。[p.76]
 → ★判断基準は公開するに耐えうるものかってこと。重要な視点。
・(ニューコア社の成功の秘訣を問われて)「企業文化が七割、技術力が三割でしょうか」[p.87]
・基準を超えた生産量にたいし、チームの一人ひとりにボーナスが支給されるのだ。[p.119]
 → ★ボーナスの支給単位は1週間! この短いスパンがチームにやる気を与える。
・(子弟への奨学金制度について) この制度は食卓の話題になる。 社員に本当に感謝されることがしたいなら、 その家族に何かしてあげるとよい。[p.136]
 → ★これ、日本企業の福利厚生と似ているようだけど、背景が違うのかな。
・いろいろなことができる、いろいろな人間が必要なんです。 それに手を貸して勝利チームに仕上げていくのが管理者の仕事です。[p.159]
 → ★こういう管理職がどれだけいるだろう?
・失敗に打ちのめされていてはいけない。そこから学ぶのだ。後ろではなく前をみること。 部下を励まして、もういちどやらせてみるのだ。[p.165]
 → ★経営者や管理者の姿勢によって、革新はうまれる。
負けるかもしれないことは知ったうえで、それでも賭けることだ。 そしていったんチップを場に置いたなら、負けることは考えず、 勝つことだけを考えていればよい。[p.183]
 → ★リスクに対しては考えに考え抜くこと。しかしやると決めたことには覚悟をもつこと。

 読み終わってのトータルの感想は「いつかこんな会社を作ってみたい!」です。はて、叶う日は来るのか?

(追伸1)
 実をいうと、この本は、他の本を買いに行った時に、タイトルが目にとまって「ついでに」買ったものなのです。でも、目的としていた本よりも何倍も大きなものを与えてくれました。(僕の直感に感謝!)

(追伸2)
 せっかくたくさん本を読んでるので、そこで得たことを発信したいなぁと思ってます。てなわけで、ホームページ上に本に関するコンテンツを立ち上げる予定です(5月末頃)。こうご期待!


【別サイトから転載:2005/8/26】
 このころから本の虫が騒ぎ始めたんですね。


at 12:00│コメント(0)トラックバック(1)感情本・人間本 │