1998年03月

1998年03月16日

 「エッセイ」...といっても私自身がモノ書きになるわけじゃなくて私の趣味のひとつにいろんな人のエッセイを*読む*ことがあるって話です。

 私の父親は小説を読むのが好きで、自宅には吉川英治全集なんてのがごろごろしてました。子供のころ父に言われた本にまつわる言葉のうち、今でもしっかり覚えているのは、

「(おもちゃは駄目だけど)本だったらいくらでも買ってやる」
「小説を読めよ!別の人生を体験することができるから」
 そんなわけで私もそのままスクスク成長していれば小説好きになるはずだったんですが、なぜかそういうものよりもエッセイに興味がわき、本屋に行くと思わず買っちゃうんです。思うに、小説好きにはならなかったけど「別の人生を..」って部分はしっかり父の影響を受けているんじゃないでしょうか。要は、一線で輝いている人のエッセイというものの中に、その人の生き方、人生みたいなものを感じてるんだと思います。

 で、最近読んでおもしろかったのが SONY社長 出井伸之(Idei Nobuyuki)氏の、その名もずばり"出井伸之のホームページ"(ソニー・マガジンズ 1,300円)です。正確にいうとエッセイというジャンルでもないのかもしれません。というのも掲載されている文章は、出井さんが SONY の社内ネットで不定期に公開している "A Point of View"というコーナーのメッセージを集めたものだからです。

 話の内容は、今後の会社の方向性というものから、出張先(世界各地)でのエピソード、最近読んだ本、はては趣味のゴルフのスコア、腰痛治療の話などなど。ほんと色んなとこにポンポン飛んでます。で、「社長業ってのはこんなにも忙しいのか」と感心したり、「なんちゅうバイタリティーあるれるおっさんや」とあきれたり(失礼! でもとても60才には思えない!!)。でもその一方で、企業のトップが社員に対して自分の考えや活動をここまで伝えようとしている (しかも自分の言葉で)のはすごいなぁと羨ましくなりました。


 最近 VAIO 新機種のあいつぐ発表を聞くたびに「元気だなぁ, センスいいなぁ」と思っていたら、こんな人間くさい社長がひっぱってたんですね。なんだかとってもうなずけました。ひるがえって自分の会社もそんな風通しのいい雰囲気にしたいなぁと思います。


【2004/10/2 別サイトから転載】

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